マインドコントロールの恐ろしさ

最近話題の宗教団体の会見、「過去も現在も霊感商法なるものは一切なかった」と言いのけた。
信者自身自らの選択と決定に過ぎないと言いたいのか。

これが厄介なマインドコントロールであり、その下に置かれた人々の模範行動に過ぎないのだが、ここを証明することの難しさは、生き辛さを抱える人々に於ける親からのそれ（マインドコントロール）と同じです。

例えば誰もが驚くような虐待にしたって、大概の親は躾の一環だったと言いのける。介入の判断が遅れ最悪の結末に、後の祭りとなるケースは多々ある。
それだもの、「うちの親も毒親だったのか」と自分が認知できるには長い時間がかかるし、その中でマインドコントロールがあったなど、大抵の親は認めない。

マインドコントロールの恐ろしさは、それがマインドコントロールだとわからないまま自分を滅ぼしていくこと。辛いとか苦しいとか気づき始めても、それは自分のせいだと思ってしまうこと。そして行動や思想の基には二元論からなる怯えがあり、教えを破れないこと。これらがマインドコントロールされていることを見えなく気づきにくくしているのです。

うちにも宗教に入信されている親の元、生まれながらに2世信者となってしまった方が訪れることがあります。実際、それらの方々の苦しみは、その教団の教えや方針への疑問や怒りより、幼い頃から両親が、毎夜毎週、信者さんたちとの会合にのめり込み、子供だった自分の寂しさや気持ちを無視されていたこと。本来なら家族のための信仰の筈なのに、その姿勢が子供を不幸にしているという本末転倒に気づかないまま。

宗教や信仰の自由は守りましょう。しかし、それが何のため誰のためかを見間違うと、大変なことになりますよ。少なくとも、「来世」の前に「今生」での幸せを掴むことが先決ではないのかな。