最悪なシナリオを肯定した人生

みなさんこんにちは。静岡県沼津市にある心理カウンセリング事務所「マザーアース」の浅野順子です。

東京都のコロナ感染拡大、その責任や対策について国と都とが原因の擦り合いを始めましたね。

そんな中開始されるGo Toキャンペーン。感染不安はあれども、実際は格安のチケットでどこに行こうかとウキウキしている人々がいるのも事実。

客足が一気に途絶えてしまった観光業などの方々にとっても起死回生のチャンス。不安を抱えての営業でしょうが、なんとか持ち堪えて欲しいものです。

人々の生活を脅かすコロナ禍ですが、立ち位置によって見方・考え方も違うでしょう。感染による健康不安と経済的理由による生活不安、どちらをとっても誰にとっても難しい課題。また、近年の天候不順や温暖化による災害も増えていますね。

何にせよ、ひとりで考え込んでいてはダメですよ。何とか何とか、生き延びるんですよ!

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さて今日載せる記事は3月に公開したばかりの「最悪なシナリオを肯定した人生」です。

マスクやトイレットペーパーなどが品薄になったことを例に、人間の不安の扱い方2パターンを書いています。

また、不安の対処の仕方が違うだけでその人の人生にどれほどの影響を及ぼしているか、その苦しさと根深さにも触れています。

「大丈夫だよ、怖くないよ」「怖かったね、もう大丈夫だよ」その優しいたった一言がもらえなかったが故に、将来不安を払拭できなく育つのは何とも言えない辛い話です。

ではどうぞ。

最悪なシナリオを肯定した人生

昨今の世界情勢における人間の行動には異常としか思えないものがあり、しかし目に見えないウィルス拡大の中では到底大丈夫とは思えず、その確実な対処法が見つからないことを思えば、人間心理として異常な状況下における妥当な流れと見えてしまいます。

不安と恐怖しかない心からは、そこから逃れようとするだけの行動回路しか生まれない。これも人間の適応能力なんでしょうか。

巷ではマスクに始まりトイレットペーパーやティッシュを買い漁る。それも、なくなったら死ぬという最悪のシナリオが思考の中で既に肯定され、それを回避すべく我れ先にと走り回るのです。

今日はこの「最悪のシナリオが肯定される思考」をテーマにしてみます。

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人間が困難かつ不安定な状況に陥ったとき、その心は1.絶対無理 2.何とかなるだろう という真逆などちらかに近づく。

その心理には①生まれ持った気質によるもの ②育った環境によるもの が考えられます。が、どれほど生まれ持った気質→「楽観的」であろうとも、その「環境の過酷さ」によっては、その人の生きていく行動様式はただそれを回避するためだけのものになってしまいます。

例えば恐怖を伴う事件やイジメ、暴力、家庭内における虐待又はそれに準ずる偏った躾などは、心を傷つけ気質を歪めさせます。

それにより、本来ならば自分が将来羽ばたく為に持って生まれた「安心感」や「意欲」「希望」などの芽が、「またああなる」「もしなったらどうしよう」という不安に書き換えられてしまいます。

すると、そうなることを前提とした対応パターンが作られ、「安心して自分のしたい言動をとる」代わりに「その中でどう生きるか」という発想しか存在しなくなってしまうのです。

TVやYouTubeなどで、虐待を受けてきた犬が、近寄る人間に極度の怯えや凶暴性を発揮している映像をご覧になったことはあるでしょうか?まさしく人間も、同じなのです。

PTSDや対人恐怖、神経症や脅迫的症状などの姿は、その人本来の気質を歪める何らかの力が加わった結果で、その心におけるカラクリは同じです。

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今の世界情勢における人々の様を見て、「バカげている」「ナンセンス」と思う人が少ないのは、誰もがその身に不安と恐怖を確かに感じ、最悪のシナリオを払拭しきれないからです。それは近い将来、ワクチンの開発なりその対処法が見つかり「あんな時代があったねぇ」と思える日まで続くのでしょうか。

しかし長い境遇の中で心に傷を負った人にとって、その傷から回復し行動様式の歪みを正すのは容易くありません。今なお過去に怯え、その不安と恐怖が肯定された中で生きている訳ですから。

フラッシュバックを払拭するかのような行動様式は、助けてくれる人もワクチンのような解決策もないまま今も続いているのです。

その終結は、その「過去の最悪なシナリオを肯定してしまう」という思考回路に対し、「私はもう、それを引き受けない」と宣言できること。仕方ないと諦めていた現実にある見えない鎖を自分が外し、そこから自分を連れ出すこと。難しいですね。

なぜなら、抗うことが1番怖いからです。

そう、抗えば更に酷くなり、受け入れた方がマシだったからね。だからそこを打ち破るためには、先ずは自己処罰をやめて、これまでの自分に「よくがんばったね」と飽きるほど言わなきゃね。

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改めて昨今の情勢を見て思うのは、不安を基に動くことの不毛さと、それが人間だということかな。